ベトナムにはなぜ重症脳卒中患者が多いのか

「なんでこんなに脳卒中の人が多いんだろう?しかもみんな重症だ」

 

初めてベトナムに訪れたとき感じたことです。

 

この疑問について僕なりに考えてみました。

 

①食事の問題

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ベトナム料理というとフォーや生春巻きなどあっさりめの料理を想像しませんか?

 

ところが、実際の現地で食べられているものは、とても味付けが濃く、塩分が高い料理が多いのです。

 

その影響で高血圧の人が多いという話を何人もの現地スタッフから聞きました。

 

日本では、高血圧を薬でコントロールしている人が多いのですが、ベトナムではその習慣がまだ根付いておらず、自分が高血圧だと自覚すらしていない人がたくさんいるようです。

 

②医療の問題

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ベトナムの田舎には、病院が非常に少ないため、脳卒中になった際に最も重要な早期治療が受けられない人がほとんどのようです。

 

また貧困な家庭では、医療を受けるお金がなく、降圧剤が買えない・脳卒中を発症しても放置したという患者さんを実際に何人もみました。

 

これらが重症化を招いている一因であることは間違いないと考えています。

 

※実際にはもっと色んな問題点がありそうですが、僕の活動はリハビリ施設・家屋訪問のみであるため、ベトナムの急性期医療については理解できておりません

 

③リハビリテーションの問題

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ベトナムでは、運動療法も物理療法も病院側が請求できる金額はほぼ同額だそうです。

 

セラピストは「楽だから」、患者さんは「気持ちいいから」という理由で物理療法を選択する傾向にあるという話を現地の医師に聞きました。

 

通常、脳卒中を発症しても、超高齢者もしくは再発でない限り、ほとんどの方が再び歩けるようになります。

 

しかし、ベトナムの患者の場合、中年の方でも一人で歩けないというケースをたくさん見ました。

 

それはベトナムのこのようなリハビリシステムも影響していると考えています。

 

④障害に対する認識の問題

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ベトナムでは、家族が病気になった場合、仕事を辞めてでも介護をするというのが一般的だそうです。

 

この考え方は素晴らしいと思いますが、弊害もあります。

 

患者は身の回りのことは介護してもらうのが当たり前と考えているため、本来頑張れば自分で出来ることでも任せっきりです。そのためどんどん身体機能が低下してしまいます。

 

これに関しては、その国の人たちが昔から培ってきた考え方であり、何が正しいかは難しいですが、リハビリテーションの観点からすると、やはり変えて行くべきだと僕は考えています。

 

セラピストの問題

ベトナムでは、セラピストになるための養成期間が数ヶ月と短く、国家試験もなく、統一された組織が存在しません

 

そのため、他の国に比べると個人の知識・技術が劣ってしまうのは仕方がないことだと思います。

 

事実、タイ・カンボジアなどの周辺国はWCPT(世界理学療法連盟)に加盟しているのに対し、ベトナムは未だに加盟できていません。

 

そのため、リハビリ=マッサージ・ストレッチという考え方が強く、リハビリテーションが進まないという現状になってしまっているようです。

 

まとめ

これらが、僕が思うベトナムに重症脳卒中患者が多い理由です。

 

僕はこれまで2年間、しかもそれぞれ1週間ずつという非常に短い期間しかみていないので、きっと現地で働くJICAスタッフや専門家がみればもっと色んな見方ができると思います。

 

こんな風にで様々な国の医療の疑問を解き明かしていけたら面白いなと考えています。

 

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