VR認知症プロジェクト

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前の記事でも書きましたが、9/3〜9/4に東京で行われた認知症フレンドリーサミット2016に参加してきました。

 

今回はVR認知症体験について書きます。(※この記事はVR認知症に関するネタバレを含みますが、代表の下河原さんに許可を得て記載しています)

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VR認知症プロジェクトとは、
認知症になると想いを表出しづらくなり、代わりに起こす行動が周囲には理解できないものと映ってしまうことが多くあります。表面的な行動は、徘徊をはじめとする様々な専門用語で括られ、認知症だから起こすものと思われがちです。しかし認知症だからではなく、混乱する環境においては誰もが通常と違う行動を起こすものと理解し、始まったのがVR認知症プロジェクトです。

 

僕自身、VRを体験するのが初めてだったので「どんな感じなんだろう」とワクワクしながら3Dゴーグルを装着しました。(ちなみに3Dゴーグルはメガネをつけたままでも装着できます)

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プログラムは全部で3種類あったのですが、一番印象的だった"視空間失認"という症状を再現したものについて書こうと思います。

 

まず初めに、床に木材を置き、そこに立った状態でゴーグルを装着するよう指示されました。

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するとそこは足を一歩前に出すと落ちてしまうようなビルの屋上でした。

 

ちょうど下のこの写真のような感じです。

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しばらくすると左右のヘッドホンから男性と女性の「大丈夫ですよ」「怖くないですよ」という声が聞こえてきました。

 

左右を見回すと、介護スタッフのような男性と女性が僕の横に立ち、励ましの言葉をかけてきているのです。

 

『こんな状況(ビルの屋上で転落しそう)で何が大丈夫なんだ』と思っているとグラッと視界が前にふらつきました。

 

『落ちた!』と思った瞬間、それまでビルの屋上に立っていたのが、老人ホームの入り口の前に場面が切り替わりました。

 

自分の背面を振り返ると送迎バスがあり、送迎バスのステップから降りた直後のようでした。

 

そうすると先ほどの介護士のような男女が『やっと降りられましたね』と先程と同じ笑顔で声を掛けてきて終了でした。

 

 

どういうことだかわかりますか?

 

正直、僕には全く意味が理解できませんでした。

 

これに関して、VR認知症を開発したシルバーウッド株式会社の下河原さんの話によると、時折、送迎バスから降りる際に身体がこわばり、うまく降りられない認知症の方がいるそうです。

 

通常ならばなんの問題もないはずのバスのステップから降りるという行為が視空間失認の影響でその高さを正しく認識できず、深い穴に飛び降りるように感じることがあるという話でした。

 

視空間失認とは、空間の配置を正しく理解できない症状のことをいいます。アルツハイマー病初期、軽度の認知症にも見られることがあります。机や扉、窓など1つひとつの位置はわかっているのに、全体を空間としてとらえることができません。そのため部屋から出られないなどと言ったりします。字を解読できるからといって、大きな貼り紙や案内板で示しても、その内容と空間を関連づけることができないため有効な方法ではありません。おもに頭頂葉と後頭葉の病変から生じるといわれています。

 

この意味がわかった瞬間、笑顔で声をかけてくれていた介護スタッフに対して恐怖のような感情がこみ上げてきました。

 

つまり『ビルから飛び降りろ!』と笑顔で言っていることになるからです。

 

僕も臨床で働く中で、立ち上がりや着座、移乗の際に異常に抵抗を示す患者に遭遇したことがあります。

 

正直、無理やり立たそうとしたり、座らそうとしたりしたこともあります。

 

良かれと思ってやっていたことが患者には恐怖感を与えていたかもしれないとこれまでの自分を反省しました。

 

VR認知症は、認知症の人たちの気持ちや生活に近づくことのできる素晴らしいデバイスだと感じました。

 

VR認知症を体験することで間違いなく、臨床・介護の現場での働き方が変化すると僕は考えています。

 

体験会の様子がシルバーウッド株式会社のHPから見れますので、皆さまチェックしてみてください!

 

 

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